アストルチアの謎

ドラクエ10の設定、物語について語る、予定

メレアーデ名君説

メレアーデがバレンタインイベントで頑張った&声もついてめでたい!
ということで、私の思うメレアーデの魅力……というか、有能なのではという事について語ります。
投票中に投稿できればよかったのですが、読み返してみると特に応援になるような内容でもないように思うので、別に間に合わなくてよかったかもしれません笑
まあ準優勝記念ということで……。

■作中での描写
さて、ゲーム上であまり活躍したり一緒に冒険したりせず、人気もないと言われていたメレアーデさんなのですが、私はメレアーデは作中でも相当すごい人物なのではないか、と思っております。
まずはですが、作中とか公式資料では当初から頭の良さげなキャラとして描かれていたと思います。クオードよりチェスが強い(勝率7割以上)、という話や「人を見る目がある」という話。

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ドラゴンクエストX5000年の旅路遥かなる故郷へ オンライン 公式ガイドブック【バージョン4.0~4.1】

見る目がある、というのは自称ですが笑。これは主人公に対してのセリフだけでなく、v4.0のクエでメイドが物を盗んだとされた時にも言っています。当時の彼女の中でのキメゼリフだったのかもしれません笑。基本ほんわかしていたり、猫とじゃれてる姿が有名なので、プレイヤーの印象としては頭いい系キャラと認識されていなそうですが……

以上はキャラ付けのようなものですが、メレアーデの事績の中でとんでもなくすごいのは、もちろん彼女ひとりで大エテーネ島そのものを時渡りさせることを決意し、成功させたことです。この発想自体は時獄の迷宮の疑似体験により得たものですが、それを実現するためには、ただ航界船に乗り込んで未来を想えばよい、というものではないのではないかなと思っています。そもそもの所有者であるキュレクスは異界生命体で、航界船はそのテクノロジーで、それを利用して物事をなすにはそれなりの下準備がいるはずです。

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ドラゴンクエストX v4.5

彼女は、キュレクスに(脳に直接)知識転送されたことがあります(ただし操られたマローネが乱入し、すぐ中断させられている)。また、隕石をとめる際に永久時環と同期した時に少し様子がおかしく、この辺りで時渡り等に関する深い知識を得た、のだと推察されます。

どれくらいの知識を得たのかはわからないのですが、犠牲者を出すことなく、巨大な陸塊を、5000年という永い時を時空転移させるのは生半な事ではないはずです。少なくともキュルルは大分びびってましたね笑

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ドラゴンクエストX v4.5


とまあ、時渡りの技術屋メレアーデとしての腕の確かさと、疑似体験したとはいえ、行けるだろう、と判断した決断力。そして実際に完全に成功した、という結果(これが一番大事というか、凄い)。これにより、歴史の修正力により滅亡をまぬがれえない状態であったエテーネを、一発大逆転で生き残らせたのです。これについては、ほとんどメレアーデの功績だと言ってよいかと思います。
この辺りは、某マトリックスを引き合いに出すと、救世主として啓示を受け、さまざまな知識技術をインストールされても、それを使いこなして実際に世界を救えるかは別で、難しい事であるというようなイメージです。しかしメレアーデはおぼろげな疑似体験を元に、そういう事を成し遂げました。

これにより、自分の中ではメレアーデは普段はおっとりしているが、とんでもなく頭がよく実行力のある人、という評価になっています。
ところで、v4のストーリー中にどんなに悲しい出来事があっても猫集めになるとウッキウキなメレアーデに対し、「サイコパスではないか」という評価が5ch等で出ていますが……まあ、自分もメレアーデはそのケがあるなぁとは思ってはいます笑
そのままなら滅ぶという前提はあるにせよ、誰にも相談せず、ひとりでこのような超リスクもある大決断ができてしまうのはサイコパスなのかもしれません。まあ、だとしても、よい方のサイコパスですね笑。英雄や成功経営者にありがちと言いますか。弟もまあ、そうですしね。彼はその悪い面がウルベアで出てしまいました。

■歴史の修正力とエンディングアーマー
(あるいは現エテーネ王国の未来について)


v4を終えてまず疑問に感じたのが「5000年の時を超えたら歴史の修正力は無効化されるのか?」ということで、「結局、時空転移してきても滅んじゃうんじゃないの?修正力をあざむくことができるの?」とか思ったりしていました。
これについてストーリー上でしっかりした説明はなかったはずで(キュロノス禍を戻すための、すさまじく壮大な因果律操作の説明でごまかされている気がしますw)、まあ恐らくキュレクスから転送された知識などで「歴史の修正力」についての知識をメレアーデが得ており、これくらい飛べば無効化されるだろうという予測がたったのだと思います。キュレクスも、ギリウスに封じられるまで、エテーネ王家の求めに応じて、たまに時見をして助言してくれていました。要はこれくらいなら修正力は起きまい、という付き合い方があったのでしょう(そうでないと意味のない能力になってしまいますしね)。

ただ、自分がメレアーデの立場だったとしたら、本当に修正力は働かないのか、せっかく時空転移したのにふとしたことで結局滅亡してしまうのではないか、ということはずっと気になってしまうと思います。
そして、現代に転移してきたエテーネ王国ですが、魔物の襲来とかそういうイレギュラーな要素がなくとも、ちゃんと立ちゆくのかなぁ、と結構不安です。この大転換期にちょっと間違うとすぐ滅んだり、逆に大膨張して軋轢を生んだりしそうで、細やかな舵取りが必要になりそうです。以下にちょっとネガティブな想像をしてみました。

・国力低下で滅ぶ
エテーネは王立アルケミアとエテーネ王宮(とその他浮島)を喪失しており、
知識階級、指導者層がごっそりと失われています。
指針書に慣れていた市民たちは(4.5EDでは意気盛んですが)
新時代で通用するかまだ不明。自分のうがった見方ですが、キィンベル市民は今回の一連の事件を単なる災害としか見ておらず、そこまでの意識改革できるのか疑問に思っています。
また、いちばん思想的に頼りになると思われた、自由人たちの集落にいた志士的な人たちは島外に脱出しています。
そして、キィンベルの豊かなくらしはレンダーシアの海外領土に依存していそうなので、それを失って生活レベルが下がった時に市民が高い意識を保ったままいられるのか、といったところが不安要素です。
さらに、近くにあるエテーネ村は服装的に気候が暖かそうなので(ナルビアは長袖ですが……)、元々寒そうだった大エテーネ島(イギリスがモチーフとされる)は時空転移後に気候が変わって作物が全滅しているのではないか……、などと思ったりしてしまいます笑

・戦争で滅ぶ
エテーネ王国はレンダーシア全土を支配していたとされています。リンジャハルは違いますが、ほぼほぼ大陸全部が影響圏だったのでしょう。実際にクオードの側近ディアンジ(おそらく貴族階級)もローヌ地方出身だとされています。キィンベル市民は今回の一連の事件についてただの災害だと思っていますので、首都が落ち着いたら「ちょっと実家の様子を見に」という風になります。そしたら、そこには見知らぬ人たちが我が物顔でのし歩いている。これは戦争になるかな~と。
まあ「ここ5000年後なんですよ~」とメレアーデが言えば済む話ですし、ここはさすがに官僚とか軍人に対しては最速で言っていると思います(作中描写はありませんが、言わないと普通に戦争になるので)。
そして、言われたとして正確に把握したとしても、一部の人の故郷がうしなわれてしまった事は事実で、すぐにではないにしてもエテーネが落ち着いて成長期に入った時に、それを精神的背景(口実)にして、国力低下の主因である失われた海外領土を取り戻すべく、戦争に向かうというのは(メレアーデが介入しなければ)わりと自然の事のように思います。
文明度もエテーネの方が高く、この現世界をエテーネが知れば知るほど「私達が治めるべき」という思想が出てきたり、戦国自衛隊よろしく高い文明で無双してやるぜ!みたいな集団が現れてもおかしくはないかと思います。その文明度の高さやレンダーシア全土を支配できていた経緯は、時見の箱のおかげである可能性が高いのですが、それがアストルティアの破滅まで結びつく、いびつな力であることをキィンベル市民は知りません。

・内乱で滅ぶ
メレアーデはエテーネでは、救国の英雄として、また残されたエテーネ王家の姫として人気です。
キィンベル市民にとって、エテーネ王家は基本今まで繁栄を導いてくれた有能な指導者達であり、時見の箱関連の暗黒面などは知らされておらず、忠誠心も厚い。
しかしメレアーデは王位にはつかない、といいます。また、そうは言いつつも指導者としてエテーネ王国を率いています。

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ドラゴンクエストX v4.5

彼女の中の理屈はなんとなくわかります。
国のためとはいえチートとも言うべき時見を無制限に使い、最終的に時見の箱の傀儡となってしまった上、エテーネ王国やアストルティアを破滅に導いてしまったエテーネ王家に指導者たる資格なし、ということだろうと思います。
そうはいっても指導者層壊滅の上、5000年時空転移という状況も他の人にとっては何が何だか分からない。放っておいたら普通に滅ぶか、争いになる事もありえそうなので、とりあえず指導者役を買って出ている、というところかなと。
しかし、そんな事は国民にはわからない。セオドルトをはじめ、国民は「なんでうちの王女様はデキる人なのに王位についてくださらないんだろう」、と思っているはず。パドレの帰還を待っているのかも、という事も考えたのですが、それならそれでパドレ帰還後に譲位すればよいので仮に女王につくのは問題ないと思います。むしろパドレ王即位の道を作っておくのならば一旦メレアーデが即位して色々準備しておくべきでしょう。

今は良いです。メレアーデが国の舵取りするしかないから。
今後国民や指導者層が、しっかりと思惑通り成長し、拡張を考えるようになり、メレアーデと意見を違える時になるとアキレス腱になってきそうです。
前述したとおり戦争志向になるとか、高度な文明を背景に経済的に支配しようと試みるとか。
メレアーデは作中の言葉によると「エテーネ王国がこの世界に受け入れられる」事を目標に動いているので、それはもちろん受け入れがたい。メレアーデはこの時代・世界に感謝も負い目もある。しかし国民たちにはそれはない。背景を知らない。見知らぬ世界で必死に国として生き抜いていった先には当然そのような強い選択肢もあるでしょう。

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ドラゴンクエストX v4.5
そういう対立が生まれた時に、突かれます。いろいろと吹き出てきます。
あなたは王でもないのに、なってもくれないのに、何の権限でもってこの国を取り仕切っているのか、とですね。

そして、そういった時って都合よく出てくるんですよね~。
実は私こそが真の王位継承者です、って人がね笑
さらに事実として、いるんですよね。メレアーデには。
おあつらえ向きに悲劇を背負った、秘匿された姉王女が。

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ドラゴンクエストX v4.5
その姉君自身はなんにも思ってないかもしれませんが、まあそういう時勢になると
どこからともなくバレて利用されますね(スレインとか金積まれたら最速で口割りそう)。
真の王女が国を想って起ち上がる!古き伝統のエテーネ王国を蘇らせる!ってね。
ご本人も、こう言ってはあれですが、結構利用されやすそうな性格をしていらっしゃる。
さあ、泥沼の内乱の幕開けです(嬉)。

とまあ3点ほど、
あってもおかしくなさそうな未来(破滅)予想図を並べてみましたが、
メレアーデはどれも、そういう事態になっても回避することができるでしょう。

何故か。

そんなことが起こったらプレイヤーの中で
「v4ってなんだったん?」てなるからです笑


まあもしかしたら、v7とかv8とかのネタになりえるのかもしれませんが、仮にそうなっても間違いなく言われますよね。
「エテーネ王国はあのまま滅んでおけばよかったんじゃ……」って。
世の中にはプロットアーマーという言葉があり、絶望的だけど展開的には絶対死なないですよね、っていう物語的状況がありますが、エテーネ王国とメレアーデはエンディングアーマーによって守られているといえます。

まあ半分冗談なんですが(半分は)。つまり自分の意見としてはメレアーデや現エテーネ王国の状況って結構ヤバいと思っているのですが、メタ的に考えると切り抜ける。ということは逆説的に、メレアーデにはそれらを切り抜けられる実力がある、のだろうという論法です。もともと頭の良い人物として描かれていて、さらに島ごと時渡りの件で、判断力・決断力・実行力が折り紙付きなのはわかっているので、それが政治にもちゃんと活かされたということだと思います。ちなみにもし大過なくメレアーデが死ぬまでエテーネ王国が平和を維持でき、共和政に移行できた場合、歴史上の人物でいうとペリクレスとかアウグストゥスとか徳川家康といった、政体をもりっと変えた上でしっかりと国も栄えさせた、化け物クラスの政治力がありそうだなと考えています。

■あとがき
色々と持ち上げて言いましたが、実際はただのほんわかネコ好きお姫様で、運が良かった、少し勇気を出しただけ、なのかもしれません(メレアーデ暗君説……)

しかしながら、このようにゲームの盤外方面でも妄想ができるのがメレアーデの魅力かなと思っています。
戦闘で活躍できないのなら、政治で活躍したっていいじゃない。

私が以前に書いた、メレアーデとユシュカの語らいがメインの二次創作小説
「宴の終わりに猫は来る」
はそんな自分のかっこいいメレアーデ像で出来上がっております笑

最後に……メレアーデは即位してないから名「君」じゃないのでは…、とタイトルを見て思った人、
あなたは正しい!
語呂が良かったものでつい……笑
あとまあ、やっぱり私もセオドルトたちと一緒で、
「メレアーデには女王になってほしい」と思っているのでしょう。


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